何度も二人で会い続けるうちに、私は彼に真剣に恋をしてしまいました。
きっと、彼も同じ気持ちだろうと私は思っていました。
ところが、ある日・・・
「高校時代から付き合っている彼女に結婚を迫られて悩んでいる」
「結婚したくないけど、長い付き合いだし、家族も友人も勧めるから、
”けじめ”として結婚しなくてはいけない」
「でも、君の事を失いたくない」と、告白されました。
彼の矛盾した言葉に、私は・・・ただ、びっくりしました。
相思相愛だと思っていた人が、実は婚約をしていて、
結婚式の日取りまで決まっているなんて・・・
出会うのが少し遅すぎました。
一年、いや、半年早く出会っていれば良かったのに・・と、
何度も何度も自分の不幸を恨みました。
男と女の考え方の違いなのか、私は家族の反対を押し切り婚約解消。
彼は、結局長年付き合った彼女と結婚してしまいました。
私は遊ばれていただけなのか。。。
彼の結婚式の日は、何をしていても落ち着かず、
張り裂けそうな気持ちを平静に保とうと布団にくるまり、
一日が終わることだけを待っていました。
「結婚はするけれど、君の事を一番に愛している」
私を一番愛しているのなら、なぜ結婚するのだろう?
世間体のため?親兄弟、友人が勧めるから?
これから家庭を作っていく妻のことを考えたことは?
悲しみと苦しみ。怒りと不信。矛盾だらけの言葉に翻弄されました。
この時点で「もう終わりにしよう」と思ったのですが、
一度好きになった人を、簡単に記憶から消し去ることができるほど、
私は強い人間ではなかったようです。
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